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神仏教

薬師如来

やくしにょらい

神「薬師如来」(仏教)

別名・通称

薬師、薬師仏、医王善逝、薬師瑠璃光如来、大医王、医王如来

東方浄瑠璃浄土(とうほうじょうるりじょうど)という世界の教え主とされる仏で、病気を治して人々を救う「医王(いおう)」として信仰される。左手に薬壺(やっこ)をのせた姿が一般的で、奈良の薬師寺や新薬師寺の本尊として知られる。生きている間の願いをかなえる現世利益(げんぜりやく)の仏として、古くから日本人に親しまれてきた。
生涯・逸話
この仏を理解する鍵は、「今を生きる人の病や苦しみを救う」という願いにある。 【どんな仏か】 薬師如来(やくしにょらい)は、東方浄瑠璃浄土という世界の教え主とされ、正式には薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)という。菩薩として修行していたとき、十二の大願(だいがん、願い)を立てたと伝わる。その一つは、悟りを得たときには人々の病気を治し、衣食住を満たす、という誓いである。「医王如来(いおうにょらい)」とも呼ばれる。 【現世利益の仏】 阿弥陀如来(あみだにょらい)が死後の極楽浄土を約束する仏とされるのに対し、薬師如来は、生きている間の願いを聞いてくれる仏とされる。病気の回復や健康を願う人々に、篤く信仰されてきた。1月8日の「初薬師(はつやくし)」には、無病息災や家内安全などが祈願される。 【お姿】 左手に薬壺(やっこ、薬を入れる壺)をのせ、右手で施無畏印(せむいいん)を結ぶ姿が一般的である。施無畏印は、人々の恐れや煩悩を取り除くことを表す。ふつうは、日光菩薩(にっこうぼさつ)と月光菩薩(がっこうぼさつ)を脇に従えた薬師三尊(やくしさんぞん)の形で安置される。また、薬師如来と信仰する人々を守る武装した十二人の大将、十二神将(じゅうにしんしょう)も知られる。十二神将は、それぞれ7,000の兵を従えるとされる。 【薬師寺】 奈良の薬師寺は、天武天皇(てんむてんのう)が680年に、皇后(のちの持統天皇)の病気が治ることを願って建立を誓った寺である。天皇の死後、698年に藤原京で完成し、のちに平城京への遷都にともなって現在の地へ移った。金堂の薬師三尊は国宝で、平成10年(1998)には「古都奈良の文化財」の一つとして世界遺産に登録された。 【新薬師寺】 奈良の新薬師寺は、747年に光明皇后(こうみょうこうごう)が、聖武天皇(しょうむてんのう)の眼の病気が治ることを願って創建したと伝わる。本尊の薬師如来坐像と、十二神将像は国宝である。