この寺について
只見川(ただみがわ)を見下ろす岩の上に、舞台のように張り出した本堂が建つ寺。大同2年(807年)に徳一(とくいつ)が開いたと伝わり、本尊の福満虚空藏菩薩(ふくまんこくぞうぼさつ)は千葉・茨城の虚空藏菩薩と並んで「日本三所」のひとつに数えられる。会津の郷土玩具・赤べこ発祥の地としても知られ、正月7日の七日堂裸詣りでにぎわう。
歴史・由来
この寺を読み解く鍵は、たびたび失われ、そのたびに人の手で建て直されてきた、という点にある。
始まりは大同二年(807年)。法相宗(ほっそうしゅう)の僧・徳一(とくいつ)が、弘法大師(こうぼうだいし)空海の刻んだと伝わる福満虚空藏菩薩を祀る堂を建てたのが起こりだという。南北朝時代の至徳年間(1384〜1387年)に臨済宗(りんざいしゅう)へ改められ、江戸時代にいったん真言宗(しんごんしゅう)へ移ったのち、寛永四年(1627年)にふたたび臨済宗へ戻った。
只見川ぞいの岩場に建つこの寺は、水害と火災に何度も見舞われている。慶長十六年(1611年)の会津地震で堂がたおれたあと、元和三年(1617年)に本堂を建て直したときの話が、会津の郷土玩具「赤べこ」の由来として伝わる。重い材木を運ぶ工事が難航していたところへ赤毛の牛の群れが現れ、黙々と材を運んで工事を助けたという。本堂の前に置かれた撫牛(なでうし)は、その伝えを今に残している。
つぎの災いは文政元年(1818年)の大火で、堂塔(どうとう)はふたたび焼けた。復興にあたった住職の喝岩(かつがん)和尚は「二度とこのような災難にあわ(粟)ないように」と願い、粟を使った饅頭を作らせて奉納した。これが、いま門前に並ぶ柳津名物「あわまんじゅう」の始まりだと伝わる。現在の本堂・菊光堂(きっこうどう)は、この火災のあと文政十三年(1830年)に建て直されたものである。
災いのたびに、牛と、粟と、人の手で建て直されてきた。境内に立つと、その積み重ねが見えてくる。
見どころ・特徴
【菊光堂(きっこうどう)】本堂。文政十三年(1830年)の再建で、只見川を見下ろす岩の上に舞台のように張り出して建つ懸造(かけづくり)。銅板ぶきの入母屋造(いりもやづくり)で、細かな彫刻がほどこされている。福島県内でも懸造の建物はごくわずかしか残っていない。
【奥之院弁天堂(おくのいんべんてんどう)】国の重要文化財。室町時代の建築とされ、茅(かや)ぶきの宝形造(ほうぎょうづくり)。昭和二十五年(1950年)に指定された。菊光堂からは少し離れた場所に建つので、訪ねるなら時間に余裕を見ておきたい。
【開運撫牛(かいうんなでうし)】菊光堂の前に据えられた牛の像。撫でると福と知恵を授かるといわれ、赤べこの由来にもつながっている。
【十三講詣り】数え年十三歳の子どもが知恵を授かるよう祈る参り。虚空藏菩薩は丑年(うしどし)・寅年(とらどし)生まれの守り本尊としても信仰されてきた。
【訪ねかた】本堂までは113段の石段を上る。冬は雪と凍結があるので、足もとの支度をしてから出かけたい。門前にはあわまんじゅうの店が並ぶので、参拝のあとに立ち寄るとちょうどよい。
年中行事・お祭り
【元朝詣り】例年1月1日。
【七日堂裸詣り(なのかどうはだかまいり)】例年1月7日の夜。下帯姿の男衆が113段の石段を駆け上り、菊光堂の天井から下がる大鰐口(おおわにぐち)の麻縄をよじ登る。只見川の龍神を村人が力を合わせて追い払ったという伝えにちなむ行事で、「牛王祭(ごおうさい)」とも呼ばれる。男性なら年齢を問わず参加でき、女性は見学となる。
【花祭り】例年5月8日。
【大日如来祭礼】例年7月8日。
【霊まつり大法要】例年8月10日。稚児(ちご)行列と流灯花火大会がともに行われる。
【盂蘭盆会(うらぼんえ)】例年8月14日から16日。
【水子地蔵尊祭礼】例年8月23日。
【九月堂御籠り(くがつどうおこもり)】例年9月30日。信者が堂内にこもって祈願する。
【龍蔵権現祭礼】例年10月9日。
【十三講詣り】通年。
開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。
※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。
学び・特徴
主祭神
福満虚空藏菩薩
社格
臨済宗妙心寺派。山号は霊巌山(れいがんざん)。日本三所の虚空藏菩薩のひとつ。会津六詣出(あいづろくもうで)のひとつで、会津三十三観音の番外札所(柳津観音)でもある。奥之院弁天堂は国の重要文化財。
創建
大同2年(807年)、徳一(とくいつ)が開創したと伝わる。現在の本堂・菊光堂は文政13年(1830年)の再建。
ご利益
学業・合格商売繁盛金運厄除け
テーマ
パワースポット
基本情報
住所
福島県河沼郡柳津町大字柳津字寺家町甲176
参拝時間
4月1日から11月末日までは午前7時から午後3時45分まで。12月1日から3月末日までは午前7時30分から午後3時45分まで。
御朱印の受付は午前8時30分から午後3時30分ごろまでで、昼に休みが入ることがあります。天候や行事によって変わる場合があるので、公式サイトで確かめてから出かけてください。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
JR只見線の会津柳津(あいづやないづ)駅から徒歩約10分。車の場合は磐越自動車道の会津坂下(あいづばんげ)インターチェンジから10分ほど。駐車場があります。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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