この寺について
岩手県遠野市にある曹洞宗のお寺です。延徳二年(1490)の開山と伝わります。このお寺がよく知られているのは、十王堂(じゅうおうどう)の前に一対の「カッパ狛犬(こまいぬ)」が座っているからです。頭のてっぺんに皿のようなくぼみがあり、雨が降ると水がたまります。すぐ裏手には『遠野物語』で知られるカッパ淵が流れていて、寺と河童の伝説がひと続きになっている場所です。
歴史・由来
この寺を知る鍵は、本堂の裏を流れる小さな川です。
常堅寺が開かれたのは延徳二年(1490)。曹洞宗のお寺で、江戸時代には「遠野郷十二ヶ寺の触頭(ふれがしら)」を務めたと伝えられます。触頭とは、幕府や藩の命令を地域の寺々に伝える取りまとめ役のこと。この一帯の寺のまとめ役だったわけです。
ただ、この寺の名を全国に知らせたのは、そうした格式ではありませんでした。裏を流れる小川です。
この川は「カッパ淵」と呼ばれています。遠野にはカッパの話がたくさん残っていて、明治四十三年(1910)に柳田國男(やなぎた くにお)がまとめた『遠野物語』にも、川へ馬を冷やしに行ったところを河童に引き込まれそうになった話などが収められています。
常堅寺には、そのカッパにまつわる言い伝えがあります。昔この寺が火事になったとき、淵に棲むカッパが現れて火を消してくれた。そのお礼に、カッパを狛犬の姿にして十王堂の前に祀った——というのです。だから常堅寺の狛犬は、頭のてっぺんに皿のようなくぼみがあります。雨が降ると、そこに水がたまります。
もう一つ、この寺には明治の神仏分離(しんぶつぶんり)が残した跡があります。山門に立つ総丈3.5メートルの仁王像(におうぞう)は、もともと早池峰山(はやちねさん)の妙泉寺(みょうせんじ)にあったものです。明治のはじめ、神と仏を分ける政策で妙泉寺は早池峰神社となり、行き場を失った仁王像がこの寺へ移されました。慈覚大師(じかくだいし)の作と伝えられています。
民話の寺として知られる一方で、こうして地域の信仰の受け皿にもなってきたお寺です。
見どころ・特徴
【カッパ狛犬】十王堂の前に一対で座っています。頭のてっぺんに皿のようなくぼみがあるのが特徴で、雨が降ると水がたまります。火事を消してくれたカッパへのお礼に祀られたと伝わる、めずらしい姿の狛犬です。
【山門の仁王像】総丈3.5メートル。もとは早池峰山の妙泉寺にあり、明治のはじめの神仏分離でこの寺へ移されました。慈覚大師の作と伝えられています。門は八脚門(はっきゃくもん)という形式です。
【オビンヅルサマ】本堂に木像がまつられています。自分の体の悪いところと同じ場所をなでると、痛みを取り除いてくれるとされています。
【カッパ淵】本堂の裏手を流れる小川で、遠野遺産の第22号に認定されています。岸辺には二体のカッパ像と、乳神(ちがみ)をまつる祠(ほこら)があり、赤い布で乳の形をつくって納める習わしがあります。カッパを釣るための竿も置かれています。
【カッパ捕獲許可証】カッパ淵でカッパを捕まえるには「カッパ捕獲許可証」が必要です。道の駅遠野風の丘、旅の蔵遠野、伝承園などで手に入ります。捕獲には懸賞金がかけられています。
【訪ねかた】カッパ淵のあたりは茂みに覆われた静かな場所です。周辺ではクマの目撃報告があるので、クマ鈴を持っていくと安心です。カッパ釣りに使うキュウリはレプリカなので、本物の野菜を持ち込んだ場合は必ず持ち帰ってください。
ゆかりの食・参道の名店1 件
遠野ジンギスカン
遠野では「焼肉」といえばジンギスカンを指すほど、羊肉が暮らしに根づいています。「一家に一台じんぎすかん鍋」といわれるほどで、市内には専門店がいくつもあります。空気穴を開けたブリキのバケツに固形燃料を入れて鍋を熱する「バケツジンギスカン」は、花見や運動会など人が集まる場で使われてきた遠野独特のスタイルです。
※ 営業時間・定休日は変わることがあります。各店の公式情報でご確認ください。
作品ゆかり
明治四十三年(1910)に柳田國男がまとめた『遠野物語』の世界にふれられる場所です。寺の裏手のカッパ淵は、遠野に伝わるカッパの話を代表する場所として知られています。『遠野物語』には、川で馬を引き込もうとした河童の話(第58話)などが収められています。
学び・特徴
主祭神
釈迦牟尼仏
社格
曹洞宗(山号は蓮峰山)/江戸時代には遠野郷十二ヶ寺の触頭を務めたと伝わる
創建
延徳2年(1490)の開山と伝わる。
ご利益
健康・病気平癒
テーマ
動物ゆかり
基本情報
住所
岩手県遠野市土淵町土淵7-50
参拝時間
拝観は自由で、料金はかかりません。見学できるのはおおむね9時から16時までとされています。御朱印は授与されています。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
【バス】JR釜石線「遠野」駅から岩手県交通の西内行きまたは恩徳行きで約25分、「伝承園前」下車、徒歩約5分。
【車】釜石自動車道「遠野IC」から国道283号・340号を経由して約7キロ、15分ほど。
【駐車場】寺の専用駐車場はありません。カッパ淵とあわせて歩く場合は、伝承園側の「さわやかトイレ駐車場」の利用がすすめられています。そこからカッパ淵までは徒歩約10分です。カッパ淵への自転車の乗り入れはできません。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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