
この寺について
大内文化の象徴として知られる国宝の五重塔が建つ。
応永の乱に敗れて命を落とした大内義弘の菩提を弔うため、弟の盛見が建立に着手し、嘉吉2年(1442年)頃に完成した。
檜皮葺の屋根が五層に重なる塔は、京都・醍醐寺、奈良・法隆寺のものと並んで日本三名塔に数えられる。
令和4年(2022年)から3年をかけた約70年ぶりの檜皮葺替え工事を終え、令和8年(2026年)4月に竣工式を迎えたばかりである。
歴史・由来
この寺を理解する鍵は、塔と寺がもともと別のものだった、という点にある。
五重塔を建てたのは大内氏である。応永6年(1399年)、周防・長門をはじめ六か国を領した大内義弘は、堺で足利義満に反旗を翻して敗れ、命を落とした。応永の乱である。
弟で26代を継いだ盛見は、兄を弔うため香積寺の境内に五重塔の建立を始めた。
だが盛見もまた永享3年(1431年)、九州で戦死する。
塔が完成したのは嘉吉2年(1442年)頃。兄の死から40年余りが経っていた。
大内氏の山口は「西の京」と呼ばれ、応仁の乱で荒れた京の文化人が多く身を寄せた。
この塔は、その時代の山口が持っていた力を今に伝える、ほとんど唯一の建築である。
事態が動くのは江戸時代に入ってからだ。
慶長9年(1604年)、毛利輝元が萩へ本拠を移すのにともない、香積寺も萩へ移された。
寺は去り、塔だけがこの丘に取り残された。
そして元禄3年(1690年)、仁保にあった瑠璃光寺がこの地へ移ってくる。
文明3年(1471年)に陶弘房の菩提を弔って建てられた寺で、本尊は薬師如来。
薬師如来の正式な名は薬師瑠璃光如来といい、寺号はここから来ている。

つまり「瑠璃光寺五重塔」という呼び名は、大内氏の塔と、後からやってきた別の寺とが、二百五十年ほど前に一つの境内で出会った結果として生まれたものである。
建てた者と、いま守っている者が違う。この塔が六百年を生き延びられたのは、むしろそのおかげかもしれない。
明治期には周辺が香山公園として整備され、幕末の遺構である枕流亭・露山堂も移築されて、いまの姿になった。

見どころ・特徴
【国宝・五重塔】室町中期の建築で、屋根は檜皮葺。層をのぼるごとに屋根の逓減が小さく、まっすぐ空へ伸びる姿になる。京都・醍醐寺、奈良・法隆寺の塔と並んで日本三名塔に数えられる。令和4年12月から令和7年12月まで、約70年ぶりとなる檜皮葺の全面葺き替えが行われ、五層すべての屋根が新しくなった。素屋根が外れた今の姿は、次に見られるのが数十年後という状態である。
【うぐいす張りの石畳】塔へ向かう参道の石畳には、強く踏むか手を打つと「キュッ」と鳴き声のような音が返ってくる場所がある。設計されたものか偶然かは分かっていない。立ち止まって試している人がいたら、それがその場所である。
【夜のライトアップ】五重塔は通年、日没から22時までライトアップされる。闇の中に檜皮葺の輪郭だけが浮かぶ姿は昼とまったく別物で、山口を訪れて泊まるなら夜に一度は歩きたい。
【枕流亭(ちんりゅうてい)】幕末、薩摩の西郷隆盛・大久保利通と長州の木戸孝允らが薩長連合の密議を交わしたと伝わる建物。もとは市内の別の場所にあり、香山公園へ移築された。
【露山堂(ろざんどう)】藩主・毛利敬親が茶室に見せかけて討幕の相談をしたと伝わる建物。明治24年(1891年)にここへ移された。茶室という体裁そのものが、当時の緊張を物語っている。
【香山公園の四季】梅と桜の名所で、塔を背景にした花の風景が知られる。拝観は無料、駐車場も無料で、気軽に立ち寄れる。
【本尊・薬師如来】寺号の「瑠璃光」は、本尊である薬師瑠璃光如来から来ている。塔ばかりが有名だが、寺そのものは曹洞宗の禅寺である。
年中行事・お祭り
【五重塔ライトアップ】通年
日没から22時まで。季節や行事に合わせて演出が変わることがある。
【香山公園の梅】例年2月中旬〜3月上旬
【香山公園の桜】例年3月下旬〜4月上旬
塔を背景に花が咲く、一年でもっとも人の多い時期。
寺の法要については公開情報が少ないため記載していません。開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式の案内でご確認ください。
※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。
学び・特徴
主祭神
薬師如来
社格
曹洞宗・国宝五重塔
創建
嘉吉2年(1442)頃(伝)
ご利益
健康・病気平癒厄除け
テーマ
桜夜景眺望
基本情報
住所
山口県山口市香山町7-1
参拝時間
境内自由。拝観無料。五重塔のライトアップは通年、日没〜22:00。駐車場は普通車・大型バスとも無料で予約不要。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
JR山口駅からコミュニティバスで約15分、香山公園前下車すぐ。徒歩の場合は約25分。中国自動車道 小郡ICから車で約20分。無料駐車場あり。週末は山口市観光ボランティアガイドによる案内も利用できる。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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