TabiShiri
寺 御朱印 尾道市

耕三寺

こうさんじ

この寺について
浄土真宗本願寺派の寺。 大阪で成功した実業家・耕三寺耕三(こうさんじこうぞう)が、母への感謝を込めて昭和10年(1935)から亡くなるまでの約35年をかけて建てた。本堂は宇治の平等院鳳凰堂、孝養門(こうようもん)は日光東照宮の陽明門というように、各地の名建築を手本にした極彩色の堂塔が並び、うち15棟が国の登録有形文化財。白い大理石の丘「未来心の丘」でも知られる、しまなみ海道・生口島(いくちじま)の寺。

歴史・由来

この寺を理解する鍵は、ここが信仰の場であると同時に、ひとりの息子が母に贈ったものだということにある。 建てたのは耕三寺耕三(こうさんじこうぞう、1891〜1970)。公式の寺伝によれば本名は金本福松(かねもとふくまつ)で、16歳でフランスの溶接技術を学び、日本で初めて大口径の鋼管を溶接する方法を発明した技術者・実業家だった。昭和元年(1926)には自分の会社を興している。 その耕三が最初に建てたのは、寺ではなく家だった。昭和2年(1927)、故郷の瀬戸田に暮らす母のために邸宅「潮聲閣(ちょうせいかく)」を建てはじめる。和風の座敷と洋館を組み合わせた凝った造りで、母が心地よく過ごせることだけを考えて仕上げられた家である。 母が亡くなったあと、耕三は僧侶となり、昭和10年(1935)から今度は寺の造営に取りかかった。その後、昭和45年(1970)に78歳で亡くなるまで、およそ35年を建設に注ぎ込んでいる。「私は親のために孝行した事はないが、自分が幸せになりたければ親に孝行しようと思いなさいと言える」という耕三の言葉が公式サイトに残されており、耕三寺は今も「母の寺」と呼ばれる。 堂塔の一つひとつには手本がある。本堂は宇治の平等院鳳凰堂、孝養門(こうようもん)は日光東照宮の陽明門、五重塔(大慈母塔)は奈良・室生寺(むろうじ)の五重塔、八角円堂(聖徳堂)は法隆寺の夢殿(ゆめどの)、多宝塔(たほうとう)は大津・石山寺の多宝塔、法宝蔵(ほうほうぞう)と僧宝蔵(そうほうぞう)は大阪・四天王寺の金堂、中門と羅漢堂(らかんどう)は法隆寺西院、山門は京都御所紫宸殿(ししんでん)の御門といった具合である。極彩色の孝養門の印象から「西の日光」と呼ばれることもある。 寺は美術館としての顔も持つ。昭和28年(1953)3月14日、博物館法にもとづく国の登録博物館「耕三寺博物館」として再出発し、快慶作の宝冠阿弥陀如来坐像(ほうかんあみだにょらいざぞう)をはじめとする重要文化財の仏教美術を収蔵している。そして平成15年(2003)9月19日、堂塔のうち15棟が国の登録有形文化財に登録された。建てられてまだ100年に満たない建物が文化財になった、めずらしい例である。 さらに昭和63年(1988)からは、彫刻家の杭谷一東(くえたにいっとう)が境内の山の斜面に白い大理石の庭園「未来心の丘」を制作。12年をかけ、平成12年(2000)に公開された。開祖の死から30年後に加わったこの一画が、今では寺のもうひとつの顔になっている。

見どころ・特徴

【孝養門(こうようもん)】日光東照宮の陽明門を手本にした門。彫刻と極彩色がぎっしり詰まっていて、耕三寺の顔になっている。「西の日光」という呼び名はこの門の印象から来ている。 【本堂】宇治の平等院鳳凰堂を手本にした、中央の堂と左右の翼廊からなる建物。昭和16年(1941)の建築で、国の登録有形文化財。手本と見比べながら歩くと、どこが同じでどこが違うのかが見えてくる。 【五重塔(大慈母塔)】奈良・室生寺(むろうじ)の五重塔が原型。名前のとおり、母をしのぶ塔である。 【未来心の丘】彫刻家・杭谷一東(くえたにいっとう)が12年がかりで造った、約5,000平方メートルの白い大理石の庭園。大理石はすべてイタリア・カッラーラから船で運ばれた。柵で囲って眺めるのではなく、石に登ったり触れたりしながら歩ける空間として造られている。丘の上にはカフェ・クオーレがある。 【千佛洞地獄峡(せんぶつどうじごくきょう)】地下に掘られた全長約350mの洞窟。地獄の様子を表した造形の先に、無数の仏像が並ぶ。極彩色の地上とはまったく空気が違うので、体力に余裕があるならぜひ。 【潮聲閣(ちょうせいかく)】耕三が母のために建てた邸宅。和室と洋館が組み合わさった造りで、国の登録有形文化財。入館には別料金がかかり、公開時間も境内より短いので、見るつもりなら先に回っておくとよい。 【耕三寺博物館の所蔵品】昭和28年に国の登録博物館となった美術館でもある。鎌倉時代の仏師・快慶(かいけい)が作った宝冠阿弥陀如来坐像など、重要文化財の仏教美術を収蔵している。展示替えがあるため、目当てがある場合は事前に確認を。 【正直なところ】入館料は大人1,800円で、寺としては高い部類に入る。古い建物を見たい人には「新しすぎる」と感じられるかもしれない。一方で、境内・未来心の丘・博物館がすべて含まれた料金であり、じっくり見れば2時間はかかる。ここは「古い寺」ではなく、昭和という時代にひとりの人間が私財を注いで造り上げた巨大な作品として見ると面白い場所である。
年中行事・お祭り
【世の母敬讃法要(よのははけいさんほうよう)並びに供茶式】例年5月第2日曜日(母の日) 「母の寺」である耕三寺の年に一度の大きな法要。本堂前の大礼壇で営まれ(雨天時は屋内)、世の中のすべての母への感謝がささげられる。境内には野点(のだて)の茶席が設けられ、抹茶や煎茶がふるまわれるほか、法要に供えられた生花が参拝者に配られる。過去には尾道市の観光協会がカーネーションを配ったこともある。参拝者はどなたでも参列できる。 開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。

※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。

学び・特徴
主祭神
阿弥陀如来
社格
潮聲山(ちょうせいざん)耕三寺/浄土真宗本願寺派。堂塔15棟が国登録有形文化財(平成15年9月19日登録)。昭和28年(1953)から国の登録博物館「耕三寺博物館」を併設。
創建
昭和10年(1935)造営発願。開基は耕三寺耕三(1891〜1970)。約35年をかけて堂塔を建立。
テーマ
海・湖畔庭園建築現代美術
基本情報
住所
広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2
参拝時間
午前9時〜午後5時(最終入館は午後4時30分)。年中無休。 施設ごとに時間が異なります。 ・千佛洞地獄峡:午前9時〜午後4時50分 ・潮聲閣:午前10時〜午後4時(別途入館料) ・カフェ・クオーレ:午前10時〜午後4時30分 拝観料(境内・未来心の丘・金剛館) ・大人 1,800円(団体1,600円) ・大学生・高校生 1,200円(団体1,000円) ・中学生以下 無料 ・尾道市民 1,000円 ・潮聲閣は別途500円(小学生以上) 障害者手帳などの提示で、本人と介護者1名は無料。 ※料金・時間は2026年9月時点の公式サイト記載です。観光情報サイトには古い料金が残っていることがあるので、公式サイトでご確認ください。 問い合わせ:0845-27-0800

⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。

アクセス
【船】JR尾道駅前の尾道港から高速船で「瀬戸田港」まで約40分。下船後、しおまち商店街を通って徒歩約5〜10分。 【車】西瀬戸自動車道(しまなみ海道)の生口島のICから約10分。 【駐車場】無料駐車場が2か所。P1(40台、寺まで徒歩約2分)、P2(40台、徒歩約5分)。 【自転車】しまなみ海道のサイクリングルート上にあり、自転車で立ち寄る参拝者も多い。
記念メダル

スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。

参拝記録

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