この寺について
浄土宗・真言宗の二宗が共存する珍しい古刹。推古天皇20年(612)創建。中将姫伝説で知られ、本尊の當麻曼荼羅(国宝)は奈良時代に織られた蓮糸の曼荼羅とも伝わる。牡丹の名所。
歴史・由来
當麻寺(たいまでら)を理解する鍵は、一つの寺に二つの宗派と二つの本尊が同居しているという、全国的にも珍しい成り立ちにある。
寺伝によれば、推古天皇20年(612)、聖徳太子の異母弟にあたる麻呂子親王(まろこしんのう)が、河内国(かわちのくに、現在の大阪府太子町のあたり)に「万法蔵院(まんぽうぞういん)」を建てたのが始まりとされる。親王はこの寺を二上山(にじょうざん)の東麓、現在の場所へ移すことを願っていたが、壬申の乱(じんしんのらん)の混乱もあってその願いは果たせなかった。移転を実現したのは、親王の孫にあたる当麻真人国見(たいまのまひとくにみ)で、天武天皇の時代に現在地へ寺を移し、「當麻寺」と名を改めたと伝わる。ただし移転の年については、當麻寺の公式サイトが「天武天皇10年(白鳳9年・681年)」とするのに対し、他の資料では「天武天皇9年(680年)」とするなど記述に差があり、正確な年は確定できていない。
平安時代以降、當麻寺には真言宗と浄土宗という異なる二つの宗派の塔頭(たっちゅう)が共存するようになった。金堂(こんどう)の本尊は弥勒仏坐像(みろくぶつざぞう、国宝)で、一方、本堂(ほんどう、曼荼羅堂〈まんだらどう〉とも呼ばれる、国宝)の本尊は當麻曼荼羅(たいままんだら、国宝)である。この曼荼羅は、中将姫(ちゅうじょうひめ)という姫が一夜のうちに蓮の糸で織り上げたという伝説で知られ、姫がこの曼荼羅の導きで極楽往生を遂げたという物語は、世阿弥(ぜあみ)の謡曲「当麻」や、折口信夫(おりくちしのぶ)の小説『死者の書』の題材にもなっている。
境内には奈良時代後期に建てられたとされる東塔(とうとう、国宝)と、それよりやや遅れて平安時代前期に建てられたとされる西塔(さいとう、国宝)が並んで残る。両塔とも古代の姿を今に伝える貴重な建物だが、建立の時期は同じではなく、西塔は東塔よりも新しい時代のものである点には注意したい。なお2018年の修理で西塔の心柱(しんばしら)から見つかった舎利容器(しゃりようき)は飛鳥時代にさかのぼるとみられ、現在の西塔の前身にあたる建物が、さらに古い時代に建っていた可能性も指摘されている。
見どころ・特徴
【二つの国宝の塔】
境内には東塔(国宝、奈良時代後期)と西塔(国宝、平安時代前期)が並んで建つ。ともに創建当初の姿を伝える古い塔で、二つの塔がそろって残る例は全国でも数少ない。ただし建てられた時代は同じではなく、西塔の方が後の時代のものである。二上山(にじょうざん)を背景に並び立つ姿は當麻寺を代表する眺めのひとつ。
【本堂と當麻曼荼羅】
本堂(ほんどう、曼荼羅堂〈まんだらどう〉、国宝、平安時代)には、中将姫が一夜で織り上げたという伝説を持つ當麻曼荼羅(たいままんだら、国宝)が伝わる。縦横約4メートルの大きな曼荼羅で、極楽浄土の様子を描いたものとされる。
【金堂の弥勒仏坐像】
金堂(こんどう、国宝、平安時代)に安置される弥勒仏坐像(みろくぶつざぞう、国宝)は、飛鳥時代末(7世紀末ごろ)の作と推定され、現存する塑像(そぞう、粘土を盛って作られた像)としては日本最古とされる。像の高さは2メートルを超え、堂々とした姿で参拝者を迎える。
【ぼたんの名所】
中之坊(なかのぼう)をはじめとする塔頭の庭園では、4月下旬から5月上旬にかけて牡丹(ぼたん)が咲き誇る。合わせて約5,000株ともいわれ、當麻寺が「ぼたんの寺」として親しまれる理由になっている。
【中将姫の物語】
中将姫は継母にいじめられながらも仏道を信じ続け、29歳でこの曼荼羅を織り上げた後、生きながら極楽へ迎えられたと伝わる。この物語は謡曲「当麻」や折口信夫の小説『死者の書』にも描かれ、多くの人の心をとらえてきた。
【訪ねかた】
本堂・金堂・講堂を拝観するだけなら30分ほどだが、中之坊や奥院など塔頭を1、2か所あわせて巡ると2時間程度、すべての塔頭をじっくり回ると半日仕事になる。時間に余裕を持って訪ねたい。二上山ハイキングや近くの葛城山ロープウェイと組み合わせる人も多い。
年中行事・お祭り
【當麻の里ぼたんまつり】例年4月下旬〜5月上旬
中之坊をはじめとする塔頭の庭園で牡丹が見頃を迎える時期に合わせて開催される。約5,000株の牡丹が咲き誇る。
【聖衆来迎練供養会式(しょうじゅらいごうねりくようえしき)】毎年4月14日
中将姫が阿弥陀如来や二十五菩薩(にじゅうごぼさつ)に導かれて極楽往生する様子を再現する行事。橋を渡って二十五菩薩の面をつけた人々が練り歩く。もとは5月14日に行われていたが、2019年から4月14日に変更された。
開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。
※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。
作品ゆかり
中将姫の物語は、世阿弥(ぜあみ)作の謡曲「当麻(たえま)」や、折口信夫(おりくちしのぶ)の小説『死者の書』の題材になっている。
学び・特徴
主祭神
弥勒菩薩
社格
浄土宗・真言宗 二宗共住
創建
612年
ご利益
縁結び厄除け
テーマ
牡丹庭園
この場所を巡る軸
基本情報
住所
奈良県葛城市當麻1263
参拝時間
9時から17時まで
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
近鉄南大阪線「当麻寺」駅から徒歩約15分。駐車場は塔頭ごとに用意されている。拝観できる建物や庭園は中之坊・奥院・西南院などの塔頭ごとに分かれており、拝観料もそれぞれ異なる。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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