この城について
水城(みずき)は、福岡県の太宰府市(だざいふし)・大野城市(おおのじょうし)・春日市(かすがし)にまたがる、古代の防衛施設の跡です。飛鳥時代の664年(天智天皇〈てんじてんのう〉3年)、九州の政治の中心だった大宰府(だざいふ)を守るために、博多湾側から大宰府へ入る平地をふさぐように築かれました。長さ約1.2kmにおよぶ土の大きな堤(つつみ)で、国の特別史跡に指定されています。続日本100名城の182番にも選ばれています。
歴史・由来
水城は、戦争に敗れた日本が、次の攻撃に備えて急いでつくった国の守りのしくみのひとつです。
【白村江の戦いのあと】
663年、日本は朝鮮半島の百済(くだら)を助けるために大軍を送りましたが、白村江(はくすきのえ)の戦いで唐(とう)と新羅(しらぎ)の連合軍に大敗しました。その翌年、664年(天智天皇3年)のこととして、『日本書紀(にほんしょき)』には、筑紫(つくし)に大きな堤を築いて水を貯えさせ、これを水城と名づけたという意味の記事があります。これが水城の築造を伝える記録です。
【大宰府を守る位置】
当時の大宰府は、九州を治めるとともに、外国との窓口にもなる大切な役所でした。博多湾側から大宰府へ入る道は、山にはさまれた平地がいちばん狭くなるところを通ります。水城はそこをふさぐように築かれました。すでに防人(さきもり)や烽(とぶひ、のろし台)が置かれていましたが、それに続く備えとして造られたと説明されています。続いて背後の山には大野城(おおのじょう)や基肄城(きいじょう)といった山城も築かれ、平地の水城と山の城がつながって大宰府を守る形になりました。
【土を突き固めた巨大な堤】
水城は、土を何層にも突き固めてつくる版築(はんちく)という方法で築かれた土の堤(土塁〈どるい〉)です。長さは約1.2kmあり、博多湾側(北側)には幅約60m、深さ約4mの外濠(そとぼり)が掘られていました。発掘調査では、堤の下に水を通すための木の管(木樋〈もくひ〉)の跡も見つかっています。ただ、水をどのように貯めて使ったのかについては、研究者の間でも意見が分かれています。
【その後と近年の調査】
765年(天平神護〈てんぴょうじんご〉元年)には補修が行われたらしいと考えられています。1921年(大正10年)に国の史跡、1953年(昭和28年)に特別史跡に指定されました。近年の調査では、堤が大野城市から春日市の尾根の端まで続いていたことがわかり、その部分も追加で指定されて、守りの全体像が少しずつ見えてきています。
見どころ・特徴
【東門跡と水城館】
水城の東の端にある東門跡には、見学の拠点となる水城館(みずきかん)があります。休憩所やトイレのほか、水城の解説や映像があり、建物の上は展望台になっています。東門は博多から大宰府へ向かう道の終点にあたり、『万葉集(まんようしゅう)』にも登場すると紹介されています。道ばたには、東門の礎石(そせき)がひとつ残っています。
【堤を横切る御笠川】
御笠川(みかさがわ)は、水城の堤のほぼ中央を通り抜けています。川の部分では、堰(せき)の跡と考えられている石積みが見つかっています。
【西門跡】
西門跡には、大宰府と外国使節をもてなした筑紫館(つくしのむろつみ、のちの鴻臚館〈こうろかん〉)を結ぶ道が通り、遣唐使(けんとうし)などが行き来したと、日本遺産のサイトで紹介されています。
【大野城とあわせて】
平地の堤である水城と、山の城である大野城は、ひとつながりの守りとして築かれました。両方を訪ねると、古代の人々の守りの考え方が立体的に見えてきます。
【続日本100名城のスタンプ】
182番のスタンプは水城館に置かれていると紹介されています。休館日は太宰府市役所の文化財課の窓口とする案内もあります。設置場所や受付時間は変わることがあるため、お出かけ前に太宰府市へご確認ください。
年中行事・お祭り
【秋のコスモス】
例年10月中旬から11月上旬ごろに見ごろをむかえると紹介されています。
開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。
※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。
学び・特徴
指定・選定
国の特別史跡(1921年〈大正10年〉に史跡指定、1953年〈昭和28年〉に特別史跡へ指定)。続日本100名城182番。日本遺産『古代日本の「西の都」〜東アジアとの交流拠点〜』の構成文化財。指定面積は約27.2ha(2022年3月時点)。
築城
664年(天智天皇3年)に築造(『日本書紀』による)。
テーマ
続日本100名城特別史跡日本遺産歴史
この場所を巡る軸
めぐりコース
基本情報
住所
福岡県太宰府市国分2丁目17-10(水城館)
見学時間
水城館の開館時間は9時から16時30分までです。休館日は毎週月曜日(祝日の場合はその週の最初の平日)と、12月28日から1月4日です。臨時休館することがあります。お出かけ前に水城館または太宰府市の文化財課へご確認ください。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
【電車・バス】
コミュニティバス「まほろば号」で「特別史跡水城跡東門前」下車(西鉄天神大牟田線の都府楼前駅からバスで約10分)。JR鹿児島本線 水城駅から水城跡の北部まで徒歩約20分。西鉄天神大牟田線 下大利駅から水城跡の南部まで徒歩約7分。水城跡は長い遺跡なので、入る場所によって最寄り駅が変わります。
【車】
九州自動車道 太宰府ICの太宰府市側出口から約5分。駐車場については、お出かけ前に太宰府市へご確認ください。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
見学記録
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