この寺について
聖天院(しょうでんいん)は、埼玉県日高市新堀にある真言宗智山派(しんごんしゅうちさんは)の寺です。朝鮮半島にあった国・高句麗(こうくり)から日本にわたってきた高麗若光(こまのじゃっこう)の菩提(ぼだい)を弔うために建てられたと伝えられ、境内には若光の墓と伝わる石塔も残ります。武蔵野三十三観音霊場(むさしのさんじゅうさんかんのんれいじょう)第26番の札所で、札所本尊(ふだしょほんぞん)は聖観音(しょうかんのん)です。重厚な山門(さんもん)や若光の墓など、日本と朝鮮半島との交流の歴史を今に伝える寺として知られています。
歴史・由来
【この寺を理解する鍵は、高句麗(こうくり)という国の記憶を今に伝えていること】
668年、朝鮮半島にあった国・高句麗は、唐(とう、当時の中国)と新羅(しらぎ)の連合軍に敗れて滅びました。高句麗の王族の一人と伝えられる高麗若光(こまのじゃっこう)は、この頃日本にわたり、そのまま日本にとどまることになったといいます。若光はのちに朝廷から「高麗王(こまのこきし)」という姓(かばね、家柄を表す称号)を与えられました。高句麗の最後の王そのものではなく、日本に渡って活躍した王族の一人だったと考えるとわかりやすいでしょう。
716年(霊亀〈れいき〉2年)、朝廷は関東の7つの国(甲斐・駿河・相模・上総・下総・常陸・下野)に散らばって暮らしていた高句麗系の渡来人1,799人をこの地に集め、新しく「高麗郡(こまぐん)」という行政区画を設けました。若光はこの地の指導者となり、荒れた土地を切り開いて人々の暮らしを支えたと伝えられています。
聖天院は、この若光の菩提(死後の冥福)を弔うために建てられた寺です。寺に伝わる話では、奈良時代の天平勝宝(てんぴょうしょうほう)3年(751年)に創建されたとされ、若光が高句麗から持ってきたと伝わる聖天尊(しょうでんそん、歓喜天〈かんぎてん〉とも呼ばれる仏)を本尊として迎えたことが、寺の名前の由来になっています。
その後、寺は法相宗(ほっそうしゅう)から真言宗(しんごんしゅう)へと宗派を改めました。安土桃山時代の天正(てんしょう)8年(1580年)には、今も本堂に安置されている不動明王(ふどうみょうおう)が新たな本尊として迎えられました。江戸時代に入ると徳川家康から寺領を認める朱印状を受け、寺は保護されて栄えたと伝えられています。
境内には若光の墓と伝えられる石塔(日高市指定史跡)が今も残り、寺そのものが高麗郡の歴史を伝える生き証人になっています。
見どころ・特徴
【風神雷神門(ふうじんらいじんもん)】けやき材で組まれた重厚な二層の山門で、江戸時代末期の天保(てんぽう)年間の初め頃に完成しました。日高市指定文化財で、緻密な彫刻が見どころです。
【阿弥陀堂(あみだどう)】境内で最も古い木造建築で、日高市指定文化財です。本尊は行基(ぎょうき)が作ったと伝わる阿弥陀三尊(あみださんぞん)。中世の面影を伝える貴重な建物です。
【多宝塔(たほうとう)】弘法大師(こうぼうだいし)1250年の記念事業として令和6年(2024年)に建てられた新しい塔です。高麗郷(こまごう)を見下ろす高台に位置し、大日如来(だいにちにょらい)を祀ります。境内でもとくに見晴らしのよい場所です。
【高麗王若光の墓】鎌倉時代より前に建てられたと考えられる多重塔形式の石塔で、日高市指定史跡です。渡来人の歴史を今に伝える貴重な史跡です。
【在日韓民族慰霊塔】朝鮮半島出身の方々を追悼するために建てられた石塔で、基壇を含めた高さは約16メートルにおよびます。朝鮮半島の様式を取り入れた、国内でも有数の規模の慰霊施設です。
【国指定重要文化財の銅鐘】鎌倉時代の文応(ぶんおう)2年(1261年)に鋳造(ちゅうぞう)された梵鐘(ぼんしょう)で、国の重要文化財に指定されています。銘文には仏教の教えとともに寺の名が刻まれ、古くからこの地に寺があったことを物語っています。
年中行事・お祭り
聖天院の公式サイトでは、決まった日程の年中行事は特に案内されていません。桜や紅葉など四季折々の景色を楽しみに訪れる参拝者も多く、静かに参拝できる寺です。行事の開催情報は、お出かけ前に公式サイトでご確認ください。
開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。
※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。
学び・特徴
主祭神
不動明王聖観音聖天尊(歓喜天)
社格
武蔵野三十三観音霊場(むさしのさんじゅうさんかんのんれいじょう)第26番の札所です。
創建
寺に伝わる話では、奈良時代の天平勝宝(てんぴょうしょうほう)3年(751年)の創建とされています。高句麗(こうくり)の王族の一人と伝えられる高麗若光(こまのじゃっこう)の菩提を弔うために建てられたといわれます。
ご利益
開運縁結び
テーマ
渡来人ゆかりの寺高麗郡武蔵野三十三観音霊場
この場所を巡る軸
霊場・巡礼
基本情報
住所
埼玉県日高市新堀990-1
参拝時間
拝観時間は8時から17時までです(最終受付は16時30分)。拝観料は大人400円、小人(小学生・中学生)200円で、未就学児は無料です。30名以上の団体、障害者の方は大人300円・小人150円の割引があります。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
電車の場合、JR八高線(はちこうせん)高麗川駅(こまがわえき)から徒歩約30分。西武池袋線 高麗駅(こまえき)から徒歩約40分です。
車の場合、圏央道(けんおうどう)狭山日高(さやまひだか)インターチェンジから約15分。関越自動車道(かんえつじどうしゃどう)鶴ヶ島(つるがしま)インターチェンジから約20分です。駐車場の有無・台数は公式サイトでご確認ください。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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