この寺について
埼玉県飯能市の山あいにたたずむ天台宗の寺、竹寺(たけでら)。正式には八王寺(はちおうじ)といい、本尊の牛頭天王(ごずてんのう)を今も祀り続ける、神仏習合(しんぶつしゅうごう、神様と仏様が一つに結びついた信仰のかたち)の姿を伝える珍しいお寺です。境内は竹林に包まれ、武蔵野三十三観音霊場(むさしのさんじゅうさんかんのんれいじょう)第33番、33の札所を締めくくる結願寺(けちがんじ)としても知られています。
歴史・由来
この寺を理解する鍵は、名前が二つあることそのものにある。正式な寺号は八王寺(はちおうじ)だが、世間では竹林に包まれた参道にちなんで「竹寺(たけでら)」の名でずっと親しまれてきた。そしてもう一つ、この寺を語るうえで欠かせないのが、本尊が牛頭天王(ごずてんのう)という、神仏習合(しんぶつしゅうごう、神様と仏様が一つに結びついた信仰のかたち)の姿を色濃く残す珍しい存在だという点だ。
寺の伝承によれば、平安時代の天安元年(857年、丑年)、天台宗(てんだいしゅう)の高僧・慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん、794〜864年)が東国を巡っていた際、この地で疫病(えきびょう)に苦しむ人々を見て心を痛め、道場を開いて大護摩(だいごま)の秘法を修めたのが始まりと伝えられる。円仁は一刀三礼(いっとうさんらい、一彫りごとに三度礼拝すること)して牛頭天王の像を刻み、人々を救う願いを込めて安置したという。牛頭天王はもともとインドの祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)を守る神とされ、のちに中国で道教や密教と結びつき、日本に伝わってからは素盞嗚尊(すさのおのみこと)と同じ神とみなされるようになった、疫病を防ぐ神様である。ただし、この創建の年代を裏づける確かな史料までは確認できておらず、あくまで寺に伝わる伝承として理解しておきたい。
明治時代になると、政府は神道と仏教をはっきり分ける神仏分離令(しんぶつぶんりれい)を出し、それまで多くの寺で祀られていた牛頭天王は、素盞嗚尊を祀る神社(八坂神社など)へと姿を変えていった。ところが竹寺は、寺でありながら牛頭天王をそのまま祀り続け、神仏習合の姿を今に伝える珍しい寺として紹介されている。なぜこの寺だけがそうした変化を免れたのか、はっきりした理由を示す史料は見当たらないが、山深い場所にあり、地元の人々や講(こう、信仰を共にする仲間の集まり)による篤い信仰に支えられてきたことが背景にあると考えられている。
境内の観音堂(かんのんどう)には聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)が祀られており、この聖観音は武蔵野三十三観音霊場第33番の札所本尊(ふだしょほんぞん)にあたる。33ある札所の最後を締めくくる結願寺(けちがんじ、巡礼の旅を終える寺)として、多くの巡礼者がここで手を合わせてきた。
見どころ・特徴
【神仏習合の姿を伝える牛頭天王社】牛頭天王(ごずてんのう)をまつる牛頭天王社(ごずてんのうしゃ)は、寺でありながら神様の姿を色濃く残す、全国的にも珍しいお堂です。木造の牛頭天王坐像とその八人の子とされる八王子の像が安置されており、12年に一度、丑年(うしどし)にだけ御開帳(ごかいちょう、扉を開いて姿を見せること)が行われます。
【茅の輪をくぐる】本殿へ向かう階段の途中には、大きな茅の輪(ちのわ)が設けられています。左・右・左と八の字を描くように三回くぐるのが本来の作法とされ、無病息災(むびょうそくさい、病気をせず健康に過ごせること)を願う人々に親しまれています。
【竹に包まれた参道】寺の名の由来ともなった竹林が参道を包み込み、四季を通して涼やかな緑の空気に満たされています。境内には観音堂・弁天堂(べんてんどう)・瑠璃殿(るりでん、薬師如来をまつる本地堂)・医王稲荷社(いおういなりしゃ)なども並び、静かに祈りの時間を過ごせます。
【精進料理で結願を味わう】要予約で精進料理(しょうじんりょうり、肉や魚を使わない料理)をいただくことができ、3000円・5000円・6000円の3種類の膳が用意されています。武蔵野三十三観音霊場を歩き終えた結願(けちがん)のご褒美として、山の恵みをゆっくり味わう参拝者も多いお寺です。
年中行事・お祭り
作品ゆかり
俳人・秋元不死男(あきもとふじお)によって「奥武蔵俳句寺」と称されたと伝えられており、文学・俳句とのゆかりを伝える寺としても紹介されています。
学び・特徴
主祭神
牛頭天王(ごずてんのう)薬師如来(やくしにょらい、本地仏)聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ、札所本尊)
社格
天台宗(てんだいしゅう)の寺院で、正式名称は医王山薬寿院八王寺(いおうざんやくじゅいんはちおうじ)という。牛頭天王(ごずてんのう)を本尊とし、神仏習合(しんぶつしゅうごう)の姿を今に伝える寺として紹介されている。また、武蔵野三十三観音霊場(むさしのさんじゅうさんかんのんれいじょう)第33番、すなわち33の札所を締めくくる結願寺(けちがんじ、巡礼の旅を終える寺)でもある。
創建
寺の伝承では、平安時代の天安元年(857年、丑年)に天台宗の高僧・慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん、794〜864年)が東国巡礼の折にこの地で疫病に苦しむ人々を憐れみ、道場を開いたのが始まりとされる。ただし、この創建にまつわる詳しい史料は乏しく、正確な年代を裏づける確かな記録は確認できていない。
ご利益
疫病除け厄除け無病息災
テーマ
神仏習合武蔵野三十三観音霊場結願寺精進料理
この場所を巡る軸
霊場・巡礼
基本情報
住所
埼玉県飯能市南704
参拝時間
参拝・御朱印の受付は9時から16時までです。山道を上った先にあるため、積雪や荒天の際は時間が変わることがあります。予定が決まったら、事前に公式サイトでご確認ください。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
竹寺は山あいにあり、公共交通機関だけでたどり着くのはやや大変です。車での来訪が現実的で、境内には駐車場があります。
【電車・タクシー】西武池袋線「飯能駅」またはJR八高線「東飯能駅」が最寄り駅です。駅から竹寺の駐車場までタクシーで約30分(距離約17キロメートル)かかります。
【レンタカー】飯能駅南口にあるレンタカー店で借りることもできます。
【路線バス】飯能駅から「中沢行き」バスに乗り終点から徒歩約40分、または「青石橋どまり」終点から徒歩約90分です。精進料理を予約した人は「赤工」バス停からセブンイレブン駐車場発の無料送迎(平日10時25分発、土日祝10時46分発)を利用できます。
【有料の送迎】事前予約をすれば、飯能駅南口10時30分発、東飯能駅西口10時40分発の有料送迎も利用できます。
【車】飯能市街から山道を車で30分ほど走った先にあります。冬場は積雪や路面凍結もあるため、時間に余裕を持って向かうと安心です。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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