この寺について
兵庫県川西市にある高野山真言宗の寺院、満願寺(まんがんじ)。寺の名前の通り「願いの叶うお寺」として知られ、新西国三十三箇所第13番の札所でもある。平安時代に源満仲(みなもとのみつなか)が深く帰依して以来、清和源氏(せいわげんじ)一門の祈願所として栄えた「源氏ゆかりの寺」だ。境内には金太郎(きんたろう)のモデルとされる坂田金時(さかたのきんとき)の墓もあり、毎年5月には子どもの健やかな成長を願う金時まつりが開かれる。
歴史・由来
満願寺(まんがんじ)を語るときに欠かせないキーワードは「源氏(げんじ)」だ。寺に伝わる話によれば、奈良時代の神亀(じんき)年間(724年から728年ごろ)、聖武天皇(しょうむてんのう)の願いを受けて諸国に「満願寺」という名の寺を建てて回ったという僧・勝道(しょうどう)が、摂津国(せっつのくに、今の兵庫県南東部から大阪府北部にあたる)の一院として、千手観音(せんじゅかんのん)を本尊に開いたと伝えられている。この開山の伝承には、別の史料に残る勝道の生没年(735年から817年)と年代が合わない点もあり、あくまで寺に伝わる話として受け止めておきたい。
寺の歴史が大きく動いたのは平安時代の中ごろだ。安和元年(あんなげんねん、968年)、多田(ただ)の地に館を構えた武将・源満仲(みなもとのみつなか)が満願寺に深く帰依し、一族の安泰を祈る場としたことで、寺は源氏一門の祈願所として篤い信仰を集めるようになった。満仲の子孫は清和源氏(せいわげんじ)として全国に広がり、のちに鎌倉幕府や室町幕府を開く武家たちを輩出していく。満願寺は、その源流にあたる一族が心のよりどころとした寺なのだ。
寺の格式はその後も高まっていく。正中(しょうちゅう)2年(1325年)には後醍醐天皇(ごだいごてんのう)の勅旨(ちょくし)によって勅願寺(ちょくがんじ、天皇の願いをかなえるための寺)となり、室町幕府の成立後は足利将軍家の祈願所としても保護を受けた。最盛期には49もの子院(小さな寺)が境内に立ち並んでいたと伝わるほどの賑わいだったという。しかし戦国時代の戦火で多くの建物を失い、明治維新のころには円覚院(えんかくいん)という一院を残すのみとなってしまう。それでも寺は法灯(ほうとう)を守り続け、今も源氏ゆかりの古刹(こさつ)として、また子どもの成長を見守る坂田金時(さかたのきんとき)ゆかりの寺として、多くの参拝者を迎えている。
見どころ・特徴
【源氏ゆかりの文化財】境内には国指定重要文化財の石造九重塔(いしづくりくじゅうのとう)をはじめ、兵庫県指定文化財の木造千手観音菩薩立像(もくぞうせんじゅかんのんぼさつりゅうぞう)や木造金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう、仁王像)など、多くの文化財が伝わる。仁王門に立つ金剛力士像は、明治初期の神仏分離(しんぶつぶんり)の際に多田院(ただいん、現在の多田神社)の山門から移されたものと伝わる。
【坂田金時の墓】境内には、昔話「金太郎」のモデルとされる武将・坂田金時(さかたのきんとき)の墓がある。金時は源満仲の子・源頼光(みなもとのよりみつ)に仕えたとされ、主君ゆかりのこの地に葬られたと伝わっている。
【千手観音の御開扉】観音堂に安置される本尊・千手観音は普段は非公開の秘仏(ひぶつ)で、春のお彼岸の中日をはさんだ前後7日間だけ扉が開かれる。新西国三十三箇所第13番の札所本尊でもある。
【四国八十八ヶ所巡拝路】境内には、四国八十八ヶ所霊場を模したミニ巡拝路(約1キロメートル、徒歩30分ほど)が整備されており、一巡すれば四国遍路と同じご利益があるとされる。書院庭園にはサツキやツツジが植えられ、初夏には花で彩られる。
年中行事・お祭り
学び・特徴
主祭神
千手観音
社格
新西国三十三箇所第13番(札所本尊:千手観音)。摂津国八十八ヶ所霊場第68番、摂津国三十三ヶ所観音霊場第18番にも数えられる。
創建
寺伝では奈良時代の神亀(じんき)年間(724年から728年ごろ)の創建とされ、聖武天皇の勅願を受けた勝道(しょうどう)という僧が開いたと伝わる。ただし、この勝道の生没年は735年から817年とされており、伝承の創建年とは一致しない点があるため、正確な創建の時期は確定できていない。
ご利益
心願成就健やかな成長
テーマ
源氏ゆかり新西国三十三箇所紅葉金太郎伝説
この場所を巡る軸
霊場・巡礼
基本情報
住所
兵庫県川西市満願寺町7-1
参拝時間
午前9時から午後4時まで。入山料100円。行事の際は時間が変わる場合があります。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
電車:JR福知山線「川西池田駅」または阪急宝塚線「雲雀丘花屋敷駅」から阪急バス「愛宕原ゴルフ場行」に乗り、「満願寺」バス停で下車してすぐ。
車:国道176号線「寺畑1」交差点から約8分。参拝者専用の無料駐車場があるが、行事の際は台数に限りがある。
公式サイト
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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