この寺について
秩父三十四観音霊場の第29番札所で、曹洞宗(そうとうしゅう)の寺院です。
山号は笹戸山(ささどさん)。秩父の霊場が開かれたときに納められたと伝わる石の札が残っていることから、「石札堂(せきさつどう)」とも呼ばれます。参道入口のしだれ桜、本堂の枯山水(かれさんすい)の庭、葛飾北斎(かつしかほくさい)が描いたと伝わる桜の額など、見どころの多いお寺です。
歴史・由来
このお寺を知る鍵は、本尊の前に置かれた一枚の石の札です。
文暦(ぶんりゃく)元年(1234)、秩父三十四観音霊場を開いたと伝わる十三権者(じゅうさんごんじゃ)の一人が、ここに石の札を納めたといわれます。札には「石札定置巡礼」と刻まれていて、長泉院が「石札堂(せきさつどう)」という別名で呼ばれるのはこのためです。熊野(くまの)から納められた黒い石の札と伝わり、現在は秩父市の指定有形文化財(工芸品)になっています。
ただし、お寺そのものの歴史はもっと古くまでさかのぼります。寺に伝わる話では、創建は正暦(しょうりゃく)元年(990)。飛沼太郎右衛門(とぬまたろうえもん)という人物が開基(かいき。お寺を建てた人)とされます。霊場が開かれるより二百年以上も前のことです。
その後、堂宇(どうう。お寺の建物)は三度の火災で焼けたと伝えられ、天保(てんぽう)四年(1833)に場所を移して現在の本堂が建てられました。間口(まぐち)七間半、奥行(おくゆき)六間半の堂々とした建物です。この本堂を含む境内は、昭和34年(1959)に秩父市の史跡に指定されています。
見どころ・特徴
【石札(せきさつ)】本尊の前に祀られている黒い石の札。「石札定置巡礼」と刻まれ、文暦元年(1234)に秩父霊場が開かれた折に納められたと伝わります。秩父市指定有形文化財。この寺が「石札堂」と呼ばれる由来そのものです。
【納札天井(のうさつてんじょう)】本堂の大間(おおま)の格天井(ごうてんじょう)は、江戸の納札会(のうさつかい)が寄進した札で埋めつくされています。紙の千社札(せんじゃふだ)を貼ったように見えますが、実際は木に文字を彫って黒い漆(うるし)を塗ったもの。全国的にも珍しい意匠です。見上げてみてください。
【葛飾北斎の桜図額】本堂の正面に、浮世絵師の葛飾北斎(かつしかほくさい)が文化(ぶんか)八年(1811)に描いたと伝わる桜の額が掲げられています。
【枯山水の庭】水を使わず、石と砂だけで山や川の風景を表す枯山水(かれさんすい)の庭があります。禅(ぜん)の寺らしい静かな眺めです。
【よみがえりの一本桜】参道の入口に立つしだれ桜。樹齢は約130年と伝わり、「よみがえりの一本桜」と呼ばれています。
【市の文化財に指定された寺宝】徳川将軍家から納められた品々は、眼病(がんびょう)が治ったお礼に奉納されたと伝わります。明和(めいわ)元年(1764)に納められた香炉(こうろ)、地獄と極楽のようすを描いた「地獄極楽絵図」4幅も、あわせて秩父市の指定有形文化財です。
【本尊・聖観世音菩薩】聖観音立像(しょうかんのんりゅうぞう)は秩父市の指定有形文化財です。夜ごと龍神(りゅうじん)が灯りを献じたという言い伝えから、「龍燈観音(りゅうとうかんのん)」とも呼ばれます。秩父札所の本尊はふだん厨子(ずし)の扉が閉じられており、12年に一度の午歳総開帳(うまどしそうかいちょう)で開扉されます。
年中行事・お祭り
【秋葉三尺坊大権現(あきばさんじゃくぼうだいごんげん)縁日】例年3月15日
火伏せ(火事よけ)の神として知られる秋葉さまの縁日です。
【秩父札所午歳総開帳(うまどしそうかいちょう)】2026年3月18日〜11月30日
12年に一度、午年(うまどし)にだけ行われる特別な行事です。ふだんは閉じられている本尊の厨子(ずし)の扉が開かれ、直接おまいりできます。秩父三十四か所すべてが対象で、次回は2038年の予定です。
【しだれ桜の見頃】例年3月下旬〜4月上旬
参道入口の「よみがえりの一本桜」が咲きます。近くの清雲寺(せいうんじ)のしだれ桜とあわせて歩く人が多い時期です。
開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。
※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。
ゆかりの食・参道の名店2 件
そば道場あらかわ亭
秩父鉄道 武州中川(ぶしゅうなかがわ)駅の近くにある、JAちちぶが運営するそば処です。荒川地区はそばの里として知られ、地元産のそばを石臼(いしうす)で挽いた「三たてそば」を出しています。営業は10時〜15時、火曜定休(祝日の場合は翌日)。そばがなくなり次第終了です。 そば道場あらかわ亭道の駅あらかわ
秩父鉄道 武州日野(ぶしゅうひの)駅の近く。そば加工品や地元の野菜が並びます。営業は3〜11月が9時〜17時、12〜2月が9時〜16時。 営業時間・定休日は変わることがあります。お出かけ前にご確認ください。 道の駅あらかわ
※ 営業時間・定休日は変わることがあります。各店の公式情報でご確認ください。
作品ゆかり
学び・特徴
主祭神
聖観世音菩薩
社格
曹洞宗/秩父三十四観音霊場 第29番札所/秩父市指定史跡(昭和34年〈1959〉4月10日指定)
創建
正暦元年(990)と伝わる。開基は飛沼太郎右衛門(とぬまたろうえもん)。
テーマ
桜庭園霊場・巡礼
この場所を巡る軸
霊場・巡礼
基本情報
住所
埼玉県秩父市荒川上田野557
参拝時間
境内は自由に参拝できます。拝観料・入山料はかかりません。
納経所(御朱印)の受付は、3月〜10月が8時〜17時、11月〜2月が8時〜16時。12時〜12時30分は昼休みです。年中無休。納経料は500円(2巡目以降の重ね印は200円)。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
【電車】秩父鉄道 秩父本線「浦山口」駅から徒歩約15分。
【車】無料駐車場あり。
【札所めぐりで歩く場合】28番 橋立堂(はしだてどう)から徒歩30〜40分ほど。次の30番 法雲寺(ほううんじ)までは道のりが長いので、時間に余裕を持って歩いてください。
【あわせて】しだれ桜で有名な清雲寺(せいうんじ)から徒歩約10分です。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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