TabiShiri
寺 御朱印高野山真言宗/飛騨三十三観音霊場 第33番札所/本堂は岐阜県指定有形文化財 高山市

千光寺

せんこうじ

この寺について
飛騨(ひだ)の山あい、標高約900mの袈裟山(けさざん)に建つ高野山真言宗のお寺です。 飛騨の伝説の豪族・両面宿儺(りょうめんすくな)が開いたと伝わり、「飛騨でもっとも古い寺」と語り継がれてきました。江戸時代の僧・円空(えんくう)が彫った仏像を60体以上まとめて所蔵することから「円空仏の寺」として知られ、境内には国の天然記念物「五本杉」がそびえます。

歴史・由来

このお寺を知る鍵は、時代を隔てた二人の「はみ出し者」です。 一人目は両面宿儺(りょうめんすくな)。『日本書紀(にほんしょき)』には、顔が二つ、手足が四本ずつあり、力が強くて足が速かったと書かれています。中央の朝廷から見れば、討たれるべき相手として描かれた人物です。ところが飛騨での伝わり方はまったく逆でした。武勇にすぐれた祭りの司祭者であり、農耕を教えた指導者。つまり地元の英雄です。寺に伝わる話では、この両面宿儺が仁徳天皇(にんとくてんのう)の御代、今からおよそ1600年前に千光寺を開いたとされます。中央の記録では化け物、地元では開祖。同じ人物の見え方がこれほど食い違う例は珍しく、そこに飛騨という土地の歴史が映っています。 平安時代のはじめには、平城天皇(へいぜいてんのう)の皇子で、弘法大師空海(くうかい)の十大弟子の一人に数えられる真如法親王(しんにょほっしんのう)が袈裟山に登り、真言密教の祈願所としてお堂を建てたと伝わります。この人が開基(かいき。お寺の基礎を築いた人)とされています。 その後、永禄七年(1564)に武田(たけだ)軍が飛騨へ攻め込んだ際の兵火で伽藍(がらん。お寺の建物)を失い、江戸時代に入ってから再建されました。いま建つ本堂は万治二年(1659)のもので、岐阜県の指定有形文化財です。 二人目のはみ出し者が、江戸時代前期の僧・円空(えんくう)です。全国を歩いて十二万体の仏像を彫ることを願い、鉈(なた)で荒く削り出したような独特の仏像を各地に残しました。円空は晩年にこの寺を拠点のひとつとし、千光寺には60体を超える円空仏が伝わります。そのうち仁王像・両面宿儺像・不動明王像・自刻像(じこくぞう。円空が自分自身を彫ったもの)・弁財天像の5体が昭和35年(1960)に、三十三観音像などの53体が昭和47年(1972)に、それぞれ岐阜県の重要文化財に指定されました。一つの寺にこれだけまとまって残っているのは全国でも例が少なく、この寺が「円空仏の寺」と呼ばれる理由です。

見どころ・特徴

【五本杉(ごほんすぎ)】国の天然記念物。一つの根元から五本の幹が立ち上がる杉の巨木で、樹齢は1200年以上、樹高は約50m、幹の周囲は約12mあります。境内でもっとも目を引く存在です。 【円空仏寺宝館(えんくうぶつじほうかん)】円空が彫った仏像を60体以上まとめて見られる展示館です。高さ2mを超える立木仁王像(たちきにおうぞう。立っている木にそのまま彫ったもの)、円空作の両面宿儺坐像、三十三観音像などが並びます。開館するのは春から秋の土日月・祝日だけなので、日程を確かめてから行ってください。 【宿儺堂(すくなどう)】慶長三年(1598)に建てられた土蔵(どぞう)造りのお堂で、高山市の指定有形文化財です。中には高さ約2m20cmの石造の両面宿儺立像が安置されています。ふだんは縁日にしか開きませんが、春から秋の土日月・祝日には内部が特別公開されています。 【本堂】万治二年(1659)の再建で、岐阜県の指定有形文化財。堂内には江戸時代の絵師・狩野探雪(かのうたんせつ)が描いた双龍図(そうりゅうず)があります。本尊は十一面千手観音菩薩です。 【極楽門と108段の石段】平成25年(2013)に建て直された門で、門の先の石段は人の煩悩(ぼんのう)の数にちなんで108段あります。 【境内八十八ヶ所の遍路道】明治時代につくられた巡礼路が境内の山を一周しています。五本杉が起点と終点で、一周は約3km、高低差は約300m。歩きなれた人で2時間、ゆっくり回ると3〜4時間かかります。山道なので靴は選んでください。 【桜の襖絵】江戸時代の絵師・三熊思孝(みくましこう)が天明七年(1787)に描いた桜の襖絵(ふすまえ)が伝わります。岐阜県の指定有形文化財です。傷みが進んでいて、修復のための資金集めが行われています。 【バザラホールと六角瞑想堂】平成31年(2019)に建てられた瞑想センターと、平成15年(2003)に山頂近くに建てられた六角形のお堂です。この寺は瞑想の指導に力を入れていて、予約すれば瞑想や写経(しゃきょう)を体験できます。
年中行事・お祭り
【宿儺堂 内部特別公開】例年4月〜11月の土曜・日曜・月曜・祝日 ふだんは閉じている宿儺堂の中に入り、石造の両面宿儺立像を間近で見られます。9時30分〜16時30分、小学生以上100円。 【円空仏寺宝館の開館】例年4月上旬〜11月30日の土曜・日曜・月曜・祝日 冬のあいだは閉館します。平日は団体予約のみの対応です。 【秋のお彼岸法要】例年9月の秋彼岸 【けさやま梵マルシェ】開催日は年により異なります 瞑想の体験などを組み合わせた催しで、公式サイトで告知されます。 開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。

※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。

ゆかりの食・参道の名店2 件
  • 宿儺かぼちゃ(すくなかぼちゃ)

    寺のある丹生川(にゅうかわ)地域の特産品です。ヘチマのように細長く、灰緑色に縦じまが入った見た目ですが、口にするとほくほくと甘い。標高500mを超える盆地で育てられます。両面宿儺の伝説にあやかって名づけられたもので、この土地で宿儺がどれだけ親しまれてきたかがよくわかります。旬は夏の終わりから秋。直売所や地元の食堂、スイーツなどで味わえます。
  • 飛騨高山の味

    車で25分ほど下ると高山の古い町並みがあり、飛騨牛(ひだぎゅう)や高山ラーメン、みたらし団子の店が並びます。 山の上のお寺なので、食事は麓(ふもと)で済ませてから向かうと安心です。

※ 営業時間・定休日は変わることがあります。各店の公式情報でご確認ください。

作品ゆかり
漫画・アニメ『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』に登場する「両面宿儺」は、この寺を開いたと伝わる飛騨の伝説上の人物と同じ名前です。作品では呪いの王として描かれますが、飛騨では農耕を教えた英雄として祀られてきました。同じ名前でありながら、見え方がまるで違うわけです。千光寺には円空が彫った両面宿儺坐像と、石像をまつる宿儺堂があり、作品をきっかけに訪ねる人が増えました。信仰の場ですので、静かにお参りしてください。
学び・特徴
主祭神
十一面千手観音菩薩
社格
高野山真言宗/飛騨三十三観音霊場 第33番札所/本堂は岐阜県指定有形文化財
創建
開山は両面宿儺(りょうめんすくな)。仁徳天皇の御代、今からおよそ1600年前と伝わる。平安時代に真如法親王(しんにょほっしんのう)が開基となり、真言密教の祈願所として建立されたと伝わる。
ご利益
厄除け健康・病気平癒家内安全
テーマ
巨木・御神木山・登拝パワースポット
基本情報
住所
岐阜県高山市丹生川町下保1553
参拝時間
境内の散策・参拝は自由です。 【本堂・庫裡(くり)】9時〜17時、年中無休。拝観料は大人(18才以上)300円、小中高生100円。行事や法要で拝観できないことがあります。 【円空仏寺宝館】例年4月上旬〜11月30日の土曜・日曜・月曜・祝日のみ開館(平日は団体予約のみ)。9時30分〜16時30分。大人500円、小中高生200円。15人以上の団体は大人400円、小中高生150円。冬のあいだは閉館します。 【宿儺堂 内部特別公開】例年4月〜11月の土曜・日曜・月曜・祝日、9時30分〜16時30分。小学生以上100円。 公開日や料金は変わることがあります。お出かけ前に公式サイトでご確認ください。

⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。

アクセス
【車】中部縦貫自動車道「高山IC」から約25分、「平湯IC」から約45分。 【駐車場】3か所あり、いずれも無料です。大駐車場が普通車20台・大型バス7台、極楽門駐車場が7台、五本杉駐車場が8台。 【公共交通】JR高山本線「高山」駅からタクシーで約20〜25分。東京・大阪・名古屋・金沢・岐阜などから高山駅まで高速バスが走っています。 【注意】標高約900mの山の上にあり、境内は坂と石段が続きます。冬は積雪や凍結があるので、足もとに注意してください。
公式サイト
記念メダル

スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。

参拝記録

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