この神社について
出羽三山(でわさんざん)の一つ。標高1,504メートルの湯殿山に鎮座し、社殿を持たず赤褐色の巨岩を御神体として祀る、日本でも類を見ない自然崇拝の聖地。「語るなかれ、聞くなかれ」という掟があり、参拝内容を口外しないしきたりが今も守られている。
歴史・由来
湯殿山神社(ゆどのさんじんじゃ)を理解する鍵は、この神社に「本殿がない」という事実にある。
社伝によれば、崇峻天皇の皇子・蜂子皇子(はちこのおうじ)が、三本足の霊烏(れいう)に導かれて羽黒山を開き、続いて月山、そして湯殿山を開いたと伝わる。伝承では推古天皇元年(593)のこととされる。この由来から、湯殿山神社は月山神社・出羽神社(羽黒山)とともに「出羽三山」と呼ばれる山岳信仰の中心地となった。
湯殿山(標高1,504メートル)の神域には、社殿という人の手による建物が存在しない。赤褐色の巨岩そのものが御神体とされ、その岩の割れ目からは絶えず熱いお湯が湧き出ている。この光景は、新しい命が生まれる様子に重ねられ、出羽三山を巡る旅は古くから「生まれかわりの旅」と呼ばれてきた。現世でのご利益を表す羽黒山、死後の安らぎを表す月山に対し、湯殿山は未来、すなわち生まれかわりを象徴する山とされている(この物語は文化庁の日本遺産にも認定されている)。
参拝には古くから「語るなかれ、聞くなかれ」という掟が伝わる。境内で見聞きしたことを他人に話してはならず、写真撮影も許されない。この決まりを守り続けてきたことで、湯殿山は現在も俗世から切り離された神域としての静けさを保っている。かつて、この地で厳しい修行を積んだ高僧のなかには、衆生を救うために自らの身をミイラとした「即身仏(そくしんぶつ)」となった者もいた。その姿は、湯殿山とゆかりの深い注連寺(ちゅうれんじ)や大日坊(だいにちぼう)といった近隣の寺院に、今も安置されている。
見どころ・特徴
【本殿のない神社】
社殿を持たず、赤褐色の巨岩そのものを御神体として祀る、日本でも類を見ない自然崇拝の形が今に伝わる。参拝は裸足で、紙の人形(ひとがた)でお祓いを受けたのち、岩の上を巡り歩く独特の作法で行う。
【語るなかれ、聞くなかれ】
境内で見聞きしたことを口外しない、写真を撮らないという掟が今も厳格に守られている。松尾芭蕉も「語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな」と詠み、その神秘性を句に残した。
【御朱印】
御神体前の授与所、または参籠所で授与される。出羽三山の御朱印は見開き2ページを使う特別な形式で、力強い筆致が特徴。
年中行事・お祭り
【開山祭】毎年6月1日
一年の参拝の始まりを告げる祭典。この日から山が開かれ、11月上旬の閉山まで参拝ができるようになる。
開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。
※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。
学び・特徴
主祭神
大山祇命大己貴命少彦名命
社格
旧国幣小社
創建
伝承では推古天皇元年(593)、蜂子皇子による開山
テーマ
生まれかわりの旅出羽三山
この場所を巡る軸
霊場・巡礼
基本情報
住所
山形県鶴岡市田麦俣字六十里山7
参拝時間
開山期間は例年6月1日から11月上旬まで(年により最終日は異なり、11月3日ごろとする例もある)。冬季は積雪のため閉鎖される。開山期間中、山道(有料道路)の通行時間は午前8時15分から午後4時40分まで(夏期は延長あり)。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
JR羽越本線「鶴岡」駅から車で約55分、または庄内交通バスで「湯殿山口」まで行き、参拝バスに乗り換えて仙人沢へ。仙人沢からは参拝バスまたは徒歩で本宮へ向かう。参拝バスは午前8時30分発が始発、午後4時35分発が最終(夏期は延長あり)。車の場合は山形自動車道「湯殿山IC」または「庄内あさひIC」から約30分から40分。山道は有料道路で、通行料は普通車で往復400円。仙人沢には無料駐車場がある。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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