TabiShiri
城国指定史跡(昭和58年・59年) 根室市

根室半島チャシ跡群

ねむろはんとうちゃしあとぐん

北海道・根室市の城「根室半島チャシ跡群」

1467jp, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

この城について
アイヌ民族が築いた「チャシ」と呼ばれる砦の遺構群。 16〜18世紀頃の構築で、根室半島に約30か所が確認され、うち24か所が国の史跡に指定されている。 和人の城郭とは全く異なる文化背景を持つ北方先住民の施設で、日本100名城の1番(2006年選定)。

歴史・由来

このチャシ跡群を理解する鍵は、「チャシ」が単なる城ではなかったという点にある。 アイヌ語で「柵で囲った場所」を意味するチャシは、見張り・聖地・談判の場・首長の居住地・避難所など、複数の機能を兼ねた複合的な施設だった。 堀を掘り、土塁を築くという技法は和人の築城術に似て見えるが、その目的も設計思想も根本的に異なる。 根室半島のチャシは16世紀から18世紀にかけて造営されたもので、ちょうど道外が戦国時代から江戸時代に移行する時期にあたる。北海道内で約700か所が確認されているチャシのうち、根室半島はその密度が特に高く、約30か所が集中する。 時代が下るにつれ、松前藩との交易拡大と緊張のなか、チャシは防衛拠点としての性格を強めていった。 1669年(寛文9年)のシャクシャインの戦いを経て、アイヌと和人の関係が決定的に変容した時期、根室半島のチャシ群は最終的な形式として方形に掘られた空堀を持つ構造へと整備されていった。 明治以降の開拓によって多くのチャシが失われたなか、根室半島の海岸沿いに残る遺構は保存状態がよく、1983年(昭和58年)4月26日に国の史跡に指定された(翌1984年に追加指定)。2006年(平成18年)4月6日、日本100名城の1番に選定され、アイヌ民族の遺跡が城郭として広く認知されるようになった。

見どころ・特徴

【ヲンネモトチャシと周辺の遺構群】温根元地区に最も遺構が集中する。海を見下ろす断崖上に掘られた方形の空堀が今も明瞭に残り、アイヌが「崖を利用する」という独自の立地選択をしていたことが一目でわかる。ヲンネモトチャシが群を代表する遺跡として知られる。 【ノッカマフチャシ(1号・2号)】牧の内地区に位置する面崖式チャシ。空堀の遺構がよく残り、海を背後にした立地の防衛上の合理性が体感できる。 【訪問前に博物館で予習を】根室市の資料館でチャシの構造・出土遺物・アイヌ文化の背景を学んでから現地を訪れると、草の中の空堀が生き生きと見えてくる。遺跡は石垣も天守もない「草の丘」なので、予備知識がないと見どころが分かりにくい。 根室市歴史と自然の資料館 【ヒグマ・アクセスに注意】各チャシは未整備の自然環境に点在し、夏はヒグマの出没が報告されている。単独での草むらへの立ち入りは避け、ガイド付きツアーの利用を推奨する。知床との組み合わせドライブルートとしても定番。
学び・特徴
社格
国指定史跡(昭和58年・59年)
創建
16〜18世紀(推定)
テーマ
世界遺産アイヌ100名城
基本情報
住所
北海道根室市
アクセス
【ヲンネモトチャシ】JR根室本線 根室駅から根室交通バス「納沙布線」で約35分、「納沙布岬」下車後、温根元漁港方面へ徒歩約20分。またはJR根室駅から車で約20〜30分。 各チャシは根室半島海岸沿いに分散しており、レンタカーでの移動が便利。
記念メダル

スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。

見学記録

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